韋駄天ファミリーBlog

韋駄天ランニングアカデミーへのワクワク感

こんにちは
この度、筑波大学の先生方や駅伝チームの学生とともにこの韋駄天ランニングアカデミーに携わらせていただくこととなりました、筑波大学陸上競技部男子駅伝チームでコーチをしています木路と申します。自己紹介も兼ねまして、この韋駄天ランニングアカデミーの活動に抱くワクワク感をお話させていただきたいと思います。

みんなの「もっと」に応えられるワクワク感

私が高校入学から陸上競技の中長距離種目に本格的にかかわって来年で40年になります。その間、高校、大学、実業団、選手、指導者と立場は変われど、常に「もっと」速く、「もっと」上手く、そして「もっと」勝ちたいなどの「もっと」を追い続けてきたように思います。

この「もっと」という欲求は、競技スポーツとして常に勝負を意識している人だけでなく、ましてや、私が勝負事が好きな性格だからというものでもなく、スポーツに携わる人はみんな持っている欲求だと思います。なぜなら、みんな何かしらの目標を持ち、その目標に向かって楽しみながらも真摯に取り組むということがスポーツがスポーツである所以だからです。
私は人との競争ではなく、自己記録を目指していますというランナーも、過去の自分を超えるための「もっと」を求めているでしょうし、楽しく完走できれば良いというランナーでも、押し寄せてくる辛さに打ち勝つための「もっと」が必要と感じることもあるでしょう。その「もっと」は、体力的、技術的なものから、一緒に頑張る仲間がいれば「もっと」頑張れるのになど様々です。
私たちが発信する情報や取り組みが、市民ランナーの様々な「もっと」を満たすことができるのではないかという、その可能性にワクワク感がいっぱいです。

市民ランナーのみなさんだけではありません。私は運よく部活動において、素晴らしい恩師と先輩、同級生、後輩に恵まれましたが、現在、様々な社会事情の中でそのような機会に恵まれず、その中でもコツコツと努力を惜しまないジュニアランナーもたくさんいます。その子たちの「もっと」を満たし、夢の達成に向けて、私たちの競技経験や勉強してきたことが少しでも役に立てるのであれば、こんなうれしいことはありません。

みんなと何かを創り出せるワクワク感

韋駄天ランニングアカデミーの取り組みは、ランナーだけのものにとどまりません。走る、走らないに関係なく、地域の皆さんの「もっと」こうしたい、こうなれば良いのになどの想いを、ランニングを共通言語として、そこに関わる全ての人々のパワーを総動員、集約し、実現していくことを目指しています。

私は所属していた実業団チームが地域とのつながりを大事にしていたことや、海外の大きな大会から小さなまちの手作りの大会まで数多く経験させていただいたこともあって、みんなであーでもない、こーでもないと議論しながら、陸上競技を通して何かを創り出していく活動の面白さに対する想いが強いと思います。その想いが今、日本陸連の中で担当させていただいているホクレン・ディスタンスチャレンジの運営にも活かされています。
この大会は大学、実業団のトップチームが合宿でお世話になっている北海道の各地域と日本陸連強化スタッフが協働し、皆のやりたいことを一つ一つ手作りで実現していき、コロナ禍においても中断することなく2022年で20周年を迎えることができました。そのような楽しさを学生たちにも味あわせてあげたいと思います。(取り組みは以下のWebサイトをご覧ください)

勝負の世界でチーム力という話をしますが、いくら個の力が素晴らしい集団でも、想いとパワーが集約されていなければチーム力は低くなりますし、逆に想いとパワーが集約されていても個の力が低ければチーム力はそこそこに終わってしまいます。
私たちの地域にはシンボルとなりうる人気の市民マラソンが2つもあり、科学的、実践的情報や環境などのランニング資源もレベルが高く、個の力(ランニング資源)は素晴らしいと言えます。あとは皆の想いとパワーを集約し、地域の「もっと」の実現に進んでいくことで、チーム力(地域の力)は格段に向上すると思います。

市民マラソン大会は、もうランナー、ランニング関係者だけが楽しむものではなくなったと感じています。地域全体が競技会場となるマラソン大会は、地域の人々のあらゆる想いを詰め込んだ、走る人も走らない人もみんなが一生懸命になれるイベントでなければなりません。そのようなマラソン大会にすることが出来れば、本当の意味でその地域に根付いた地域の誇りとなる「おらがまちのマラソン」となるでしょう。

そんなマラソン大会の実現に韋駄天ランニングアカデミーが関わることができ、その大会がフックとなって私たちのまち、地域がどのように発展していくのだろうと想像するだけで、本当にワクワクします。

そこに関わる学生の成長がみれるワクワク感

韋駄天ランニングアカデミーの活動は、筑波大学陸上競技部男子駅伝チームの学生が中心となり動き出します。彼らは「箱根駅伝復活プロジェクト」を通して、数多くの皆さまにご支援をいただき、箱根駅伝の祖である金栗四三翁の想いを受け継ぎ、箱根駅伝を通して単なる長距離トップアスリートへの成長にとどまらず、卒業後も社会の様々な分野で活躍できる「スカラーアスリート」になるべく、日々活動しております。(取り組みは以下のWebサイトをご覧ください)

 

 

韋駄天ランニングアカデミーへの積極的な取り組みによって得られる、自分たちが当たり前のようにやってきた競技活動や研究活動で得た経験や知識が、ランナーや地域の人々の「もっと」の実現に貢献できているという実感は、学生にとって大学内での授業、研究や運動部活動だけでは決して得られない財産になると思います。

自身の言葉に責任を持ち、確実に伝え、相手の達成感を生み出すという経験が、学生アスリートたちの人間力の向上に繋がり、それを基盤とした更なる競技力の向上、その先の社会人力の養成に繋がっていくというスカラーアスリート育成の好循環を創り出すことができると考えます。その好循環が、大学における運動部活動に、単なる課外活動に留まらない「人財育成=ひとづくり」という教育的価値を生み出すのではないかと期待します。

そのような運動部活動を過ごした学生が、どのようなアスリート、どのような社会人に成長するのかを考えるとワクワクします。そして、そのようなスカラーアスリートが集まるチームになった時に、筑波大学陸上競技部男子駅伝チームは、真の強さを持つ地域に愛されるチームへと成長できるのではないでしょうか。

最初ということで、私個人の想いをつらつらと書いてしまいましたが、韋駄天ランニングアカデミーは、走る、走らないに関係なく、あらゆる人たちに向けて扉を開いています。そしてますますその扉を広げていきたいと考えています。
多くの方々に韋駄天ランニングアカデミーの取り組みに興味を持っていただき、自身の「もっと」の実現に向けて一緒に活動いただければ幸いです。そして、参加いただくことが学生の成長を一緒に見守っていただくことにも繋がります。

これからよろしくお願いいたします。

 

この記事を書いた人
木路 コーチ
20年間、自身の競技と指導活動で大塚製薬陸上部にお世話になったのち、筑波大学大学院のスポーツマネジメント領域に進学し、高度競技マネジメントの研究に携わり、現在、大学生の長距離指導者としての人生を歩んでいます。 専門分野としては、コーチング学(目標論、方法論、評価論)とスポーツマネジメント学(組織論、強化システム論、企業スポーツ論、地域スポーツ論)となりますが、そんな堅苦しいことではなく、自分を育ててくれた「ランニング」で得たものを使って、何かしらの恩返しができれば良いと思っています。よろしくお願いいたします。

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