コラム

筑波大学箱根駅伝チームの聖地

◆筑波大学が箱根駅伝に挑戦する意味

今回は少し内輪の話となってしまいますが、ご了承ください。この韋駄天ランニングアカデミーを主導してくれている筑波大学陸上競技部の男子長距離ブロックの学生は、厳しい夏の強化合宿を乗り越え、10月14日の箱根駅伝予選会に向け最終の仕上げに入っています。その夏季合宿中に、筑波大学で箱根駅伝を目指す私たちにとって聖地とも言える金栗四三翁のお墓参りと住家・資料館を訪問させていただきました。⇒玉名市ホームページ(2023年9月25日)

筑波大学の前身である東京高等師範学校の出身であり、大河ドラマ「いだてん(韋駄天)」のモデルともなった金栗四三翁は本サイトのアカデミー紹介 (韋駄天と呼ばれた男)でも詳しく述べられているように、箱根駅伝の誕生の中心人物としてご尽力されました。筑波大学で箱根駅伝を目指す男子駅伝チームにとって、1年に1度のこの訪問は、長い強化期間の中、自分たちが箱根駅伝に挑戦することの意味とその責任を改めて思い出し、気を引き締め直す良い機会となっています。

◆金栗翁がつないでくれた縁

このようなご縁は、2018年に筑波大学と金栗翁にゆかりのある、熊本県、玉名市、和水町、南関町との「スポーツ等を通した地域経済の活性化に関する連携協定が結ばれたことから始まりました。初訪問をした2019年に26年ぶりの箱根駅伝出場を達成したこともあり、本年も激励会を開催いただき、玉名市長、和水町長、南関町長に温かい応援のお言葉を頂戴いたしました。

また、様々なご支援を受けながら、熊本県水上村にて選抜メンバーによる箱根駅伝予選会に向けた強化合宿を実施しています。この水上村は、村が中心となって300mの全天候トラックが併設されたクロスカントリーコース、13.4kmの適度な起伏の市房ダム周回コース高酸素・低酸素ルーム、歩行用プールなどを完備したトレーニング・コンディショニング施設が整備されています。ふるさと納税制度などを活用しながら、宿泊施設周辺の廃校跡地に全天候400mトラック設置も計画されているようで、ますますトレーニング環境は向上していきます。

また、私たちが毎年お世話になっている宿舎市房観光ホテルのオーナーさんは筑波大学出身ということも、まさに金栗翁がつないでくれたご縁であると言えます。

◆筑波大学箱根駅伝チームの聖地

金栗翁の活動は、トップ選手の育成、強化に向けた箱根駅伝などの創設にとどまらず、誰もが気軽に仲間と走れる健康マラソンまでの、強化から普及までの幅の広いものだったと伝えられています。その意志を後輩の私たちがしっかりと引き継ぎ、ランニングを通じた人々の豊かな人生への貢献に向けた活動をしていきたいと考えています。その活動の一つが、金栗翁の称号を掲げたこの韋駄天ランニングアカデミーの活動です。

熊本の地で鍛え、箱根駅伝の常連校に復活することによって、この金栗四三翁ゆかりの地を筑波大学箱根駅伝チームの聖地にすると同時に、連携協定締結時に、熊本県知事が「スポーツに関する高度な知見やノウハウを持つ筑波大学の力添えが地域の発展に結びつくと期待しております」と言われたことを、ランニングを通して実現していくお手伝いをすることが、私たちの聖地への恩返し、しいては偉大なる先輩、箱根駅伝の創始者への恩返しになると信じます。

まずは、10月14日の第100回箱根駅伝予選会の突破に全精力を注ぎます。聖地巡礼をし、力を蓄えた学生たちに温かいご声援を宜しくお願い致します。

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この記事を書いた人
木路 コーチ
20年間、自身の競技と指導活動で大塚製薬陸上部にお世話になったのち、筑波大学大学院のスポーツマネジメント領域に進学し、高度競技マネジメントの研究に携わり、現在、大学生の長距離指導者としての人生を歩んでいます。 専門分野としては、コーチング学(目標論、方法論、評価論)とスポーツマネジメント学(組織論、強化システム論、企業スポーツ論、地域スポーツ論)となりますが、そんな堅苦しいことではなく、自分を育ててくれた「ランニング」で得たものを使って、何かしらの恩返しができれば良いと思っています。よろしくお願いいたします。

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