ランニング理論・科学

【卒業研究】(詳報編)長距離走のトレーニング指標の定量化とパフォーマンス発揮率との関連

 

長距離走のトレーニング指標の定量化とパフォーマンス発揮率との関連(詳報編)

福谷颯太(外科系スポーツ医学 研究室)2023年3月卒業

指導教員(正):向井直樹
指導教員(副):福田 崇、竹村雅裕

緒言と背景

長距離走のパフォーマンス発揮に関する先行研究から
長距離走に関するコーチング学において,走速度を重視した練習が競技パフォーマンスに大きく貢献する研究(折山, 2016)と,走行距離を重視した練習の方が貢献する研究(野呂, 2011)があり、立場は二分している。

走速度を重視する練習とは,レースより速いペースとゆっくりとしたペースを繰り返すインターバル走や,レースペースよりやや遅いペースで走るペース走などがある。これらは競技レベルによって差があるが,最低限の走行距離を確保したうえで、主に走速度の速さを重視したトレーニングを取り入れる手法である。

中澤ら(2002)が大学長距離指導者に対してトレーニング法に対する考え方を調査した研究によると,学生の競技レベルが高い大学の指導者ほど走速度を重視した練習が記録向上に関連すると考えて意識的に取り入れている傾向があった。しかし,そうした意識がある一方で、学生の競技レベルが高い大学ほど走行距離が有意に多いという結果となった。

また,中澤(2017)が地方インカレ入賞レベルの男子大学生を対象に8週間トレーニングの走行距離及び走速度を追跡調査したところ,後半4週間の走行距離が多いほどハーフマラソンの競技成績が良かったという結果が示されている。

以上のことから,トレーニング処方は、競技レベルに応じて走速度を重視した練習と走行距離を重視した練習の比率を変える必要がある。5000m以上の種目においては走行距離を重視した練習を最低限行いながら走速度を重視した練習を適切な強度・頻度で取り入れることがパフォーマンスを向上に繋がると考えられる。

ハーフマラソンについて
箱根駅伝予選会の種目でもあるハーフマラソンは,マラソンの半分の距離の21.0975kmを走る種目である。長時間ランニングを行う際,走速度を徐々に上げていくと血中乳酸濃度が急激に増加する地点(運動局面)がある。その地点は Lactate Threshold(以下,LTという)と呼ばれ、血中乳酸濃度が 2mmol/Lに達した時点と定義されている.このLTの値を測定するためには,漸増負荷運動中に複数回血中乳酸濃度と運動強度 を測定しないといけないという欠点がある.

そのため,LTの代わりに Oneset of blood lactate accumulation(以下、OBLAという) という指標を使う場合がある。OBLAは血中乳酸濃度が 4mmol/Lに達した時点と定義されているように,運動強度の高い状況下(速度が速いランニング)を指す。LT値と同様,スポーツの成績と密接に関係しており,選手が感じる主観(自覚)的な疲労度「きつさ」と,トレーニングの運動強度ともほぼ一致するので,スポーツ選手を評価するために良く用いられる。

このOBLAがハーフマラソンを走る際の運動強度と言われている。Jacobs(1981)は,ハーフマラソンと4mmol/L時の走速度とハーフマラソンの記録の間に高い相関があることを報告している(Jacobs, 1981)。さらに,ダニエルズ(2016)は,LTからOBLA辺りの運動強度を生理学的に表現すると最大酸素摂取量(VO2max)の86-88%だと推定した.ダニエルズによるとこの強度はOBLA強度と言い,エリートレベルの選手であれば1時間この強度で運動を継続できる 。

つまり、エリート選手では、20km及びハーフマラソン程度の距離を走り切れることになる。ダニエルズは、このレベルに該当する選手は普段のジョギングに加え,閾値(LT~OBLA)ペースでのインターバル走や閾値走(ペース走)のような10kmのレースを速く走るためのレーニングを取り入れることを推奨した 。

これらのトレーニングを行うことで,運動強度を上がっても血中乳酸濃度が高くなりにくいカラダを手に入れることができ(櫛部,2015)、従来のレース速度においてOBLAの出現するポイントを遅らせる、または、OBLAの走速度を引き上げることが可能になる。

ハイレベルと化す箱根駅伝
箱根駅伝は毎年1月2~3日に開催される関東の大学を対象とした駅伝大会である。
1987年に日本テレビがテレビでの中継を開始して以来、その人気は年々高まり、もはや説明は不要なほど学生スポーツの最高峰として国民的な催事にまで発展を遂げている。

出場校は、前年大会で10位以内に入りシード権を獲得した上位10大学と,10月の予選会を通過した10大学,および予選会で好成績を収めた選手で編成された関東学生連合1チームを加えた21チームである。「本戦でのシード権争い」「予選会での出場権争い」は年々熾烈を極め、必然的に競技レベルは高まり続けている。

毎年10月中旬に開催される箱根駅伝予選会は、翌年の箱根駅伝出場枠をかけて競う大会で、各大学10~12人の選手が当日ハーフマラソンを走り,各大学上位10人の合計タイムで順位が争われる。表1は直近5大会の予選会を突破するための最低記録を示したものだ。95回大会は記念大会で予選会から11校が本戦に出場出来たため,11位の大学のタイムを表に示した。

現在は,カーボンシューズが普及したことや,多くの大学が箱根駅伝出場を目指して強化に乗り出していることもあり,箱根駅伝予選会を突破するためには、1時間3分台から1時間5分台までの選手を最低10人そろえる必要がある.


この競技レベルは、OBLA強度でハーフマラソンを走破できるエリート選手に該当し,前項で説明した閾値(LT~OBLA)または閾値以上の速度でインターバル走やペース走、レペティション走などを取り入れていく必要がある。当然のことながらトレーニングは過酷さを極め、スポーツ障害やオーバートレーニング症候群の発症頻度が増す事態となっていることは容易に想像がつく。

長距離走の障害の指標
スポーツによる傷害は,スポーツ外傷とスポーツ障害の総称である.スポーツ障害とは、運動によって過度の負担が繰り返される事によって、負担のかかっている部分が徐々に損傷し、痛みを主症状とした慢性的に損傷した状態に移行したものを指す。

ランニング関連の障害(Running-related injuries,以下 RRI という)は主にスポーツ障害によって引き起こされる。Fokkema(2019)らによると,RRI はランニングを中断する理由の約半数を占めている。また,RRIの75-85%は、ある身体部位のオーバーユースであり徐々に発症することを示した(Hespanholら, 2016 , 2017)。

RRIの大半は下肢で発症する。鳥居(2017)の調査によると,ランニング障害を部位別に分類すると,膝が31.5%で最も多く,ふくらはぎ,腰,足底と続いた。長距離走の記録と走行距離は相関が高いので走トレーニングを継続する必要があるが、日本臨床スポーツ医学会の提言(2005)にあるように,走行距離が長くなるほどRRIの発症率が高くなる。

つまり,競技力を高めるための負荷の高いトレーニングの増量は、RRIのリスクと隣り合わせであるため,計画的且つ綿密なトレーニング処方が必要である。RRIは突発的な痛みではなく慢性的な負荷・疲労が原因で発症するため,未然に防ぐのは難しいとされているが,身体の痛みや不調を記録することで防ぐことができる可能性がある。

その記録の方法として,傷害調査があり,これまでいくつかの方法でスポーツの傷害調査が行われてきた。傷害によって試合のみ参加できなかった時に記録される「Match Time Loss法」、試合及び予定されていたトレーニングに参加できなかった場合に記録される「Time Loss法」、医療の専門スタッフが記録する「Medical Attention法」、そして、全ての愁訴を記録する「All Complaints法」などである。

これらの手法それぞれの特徴をオスロスポーツ外傷研究センター(以下,OSTRC という)のClaresenらは2014年に明らかにした(Clarsen, Bahr, 2014)。いずれの手法も長所はあるものの実質的な障害を記録できていない可能性があることを示唆した(※15)

Match Time法Time Loss法は,予定されていた試合やトレーニングへの不参加を記録するため非常に簡易的だが,単独でトレーニング計画を立てている選手や,傷害を我慢して参加している選手の障害は記録できていなかった(Orchard 2013; Orchard ら, 2005)。

Medical Attention法は傷害か否かを判断する場合、最も確実な方法である.しかし,医療スタッフが常駐している必要があり,コスト面での負担が大きいとされる(Orchard , Hoskins , 2007)。

All complaints法は全ての愁訴を記録する記録方法である.これまで回答されてこなかった愁訴を記録できることは画期的であったが,その回答の指標はデータ収集者の解釈によって異なる可能性があり,信頼性が低いことが懸念として考えられる。

これらの改善点から,2013年にClarsen らは、スポーツ活動中の身体部位オーバーユースによる傷害の登録のために OSTRC質問紙を開発し,2021年に眞下らによって日本語版に編集された質問紙が開発された(眞下ら, 2021)。この質問紙は,その調査期間に感じた愁訴のある各部位について4つの質問を回答してもらうことで障害調査を評価する

4つの質問とは,(1)スポーツ活動への参加の程度(2)トレーニング量の程度(3)パフォーマンスの程度(4)痛みの程度である.各質問25点満点で,4つの質問で最大100点になり,点数は重症度と比例する.

この調査法は,全ての愁訴を記録し,その各症状の深刻度を継続的に記録できるので,実質的な障害に繋がるまでの患部の状態の経時的変化をモニタリングできるというメリットがある。そのため,スポーツ障害を起こしやすい長距離走の現場においてOSTRC質問紙の利用は有益だと考えられる。

オスロスポーツ外傷研究センター(以下、OSTRC)質問紙

トレーニング負荷の指標
傷害調査によって痛みを数値化するのと同様に,トレーニング負荷を数値化し,指標を持つことは選手自身だけではなく,コーチングスタッフにとっても有益な情報となる。主観的な運動強度を示す指標として,主観的運動強度The training of perceived exertion 以下,RPE という)がある.これは1970年にスウェーデンの心理学者のボルグ(Borg)が開発した「ボルグスケール」として知られている。ボルグスケールは運動のきつさを「非常に楽である」から「非常にきつい」まで 6~20 の数値で評価する。

このボルグスケールは1980年に、より簡易的で汎用性のある0~10に0.5を加えた12段階で評価する「修正ボルグスケール 」が開発された.RPEを用いることでトレーニングの実際の負荷を客観的に評価できるのだが,このRPEに他のトレーニング負荷の評価項目を組み合わせることで、より詳細にトレーニング負荷を評価できる。特に,1998年にFosterが開発したRPEに走行時間や走行距離をかけることで算出される「 セッションRPE 」は簡便に定量できる方法として知られている(セッションRPEの例:RPE3で12km走った場合,そのセッションRPEは 36 になる)。
急性期:慢性期作業負荷比」(The acute : chronic workload ratio,以下ACWR という)はスポーツ障害の作業負荷の経時的変化を調べるために確立された指標である(Johnson ら, 2019; Nakoaka ら 2021)。ACWRは特定の週のトレーニング負荷を急性負荷、過去4週のトレーニング負荷の平均値を慢性負荷とし、急性期のトレーニング負荷を慢性期のトレーニング負荷で除することで算出される。急性期と慢性期それぞれの平均的なトレーニング負荷が等しい場合.ACWRは1になる。急性期が慢性期より低い場合はACWRが1より小さくなり,逆の場合は1より大きくなる。
Johnsonら(2019)は、持久系スポーツ(ランニング,トライアスロン,水泳,ロードバイク,ボート競技)の競技者を対象に,トレーニング負荷と新たに発生した障害との関係を調査した。研究の結果,急激にトレーニング負荷を高めることと慢性的な負荷を落としすぎないことが、障害リスクを低く抑える手法として示された。つまり,障害リスクを最小化するためには,慢性負荷を中程度から高い値で維持すべきとした。

この結果は ACWR を測定・管理することは障害リスクを未然に防ぐことが出来る可能性を示唆しており、ACWR は 慢性的な負荷の漸増を計画・監視するための指標となり得る

長距離走(競技者)のコンディション研究の現状

長距離走は身体部位のオーバーユースによるスポーツ障害が多い持久系スポーツとして知られており,これまでもOSTRCとACWRを用いた傷害調査は行われてきた(※20)(※22)。しかし,研究の多くは対象者のレベルがレクリエーションスポーツレベルであり(※21)ハーフマラソンを1時間10分以内で走るようなレベルのランナーを対象にした研究調査は存在しない

また,競技力の高いランナーが目標の大会に向けて行うトレーニング期間のACWRやOSTRCスコア,セッションRPEについての研究はなく,「それら要素と目標大会での記録がどのように関連しているか」さえ明らかにされていない。そこで、次に示す課題をテーマに研究を実施することにした。

本研究の目的

研究課題1
T大学の箱根駅伝予選会エントリーメンバー14人の合宿期のセッションRPE・ACWR・OSTRCスコアを明らかにすること

研究課題2
セッションRPE・ACWR・OSTRCスコアと予選会の個人成績との関連性を検討すること

方法

研究対象者の属性
研究対象者は第99回箱根駅伝予選会に登録されたT大学陸上競技部長距離選手14名とした(下表)。

研究対象者の特性

研究対象者の競技力

T大学陸上競技部男子長距離チームは年間の最大目標を箱根駅伝出場(予選突破)としている。所属している選手は1~3月に鍛錬期,4~7月にトラックシーズン(スピード養成期),8~9月に夏合宿期(持久力養成期)を経て10月の箱根駅伝予選会に臨むのが通例である。特に,夏季休業期を利用した8~9月の夏合宿期は年間で最も多いトレーニング量をこなす。そのため,毎年多くのスポーツ障害発症者が出ている。

夏季の鍛錬期に充実したトレーニングを積み、且つ、スポーツ障害によるトレーニング離脱者を出さなければ、箱根駅伝予選会で好成績につながることが、2019年にT大学が箱根駅伝予選会を突破したことで証明されている,その年は8月からのトレーニングを充実させながら,主力選手にスポーツ障害発症者が出なかったことから、箱根駅伝予選会において、チームとしての高いパフォーマンス発揮に繋がった。

8~9月の合宿期にRRI を予防しながらトレーニングを計画的に積むことができれば,T大学が箱根駅伝予選会を突破できる可能性が高まることになる。そこで、本研究の調査期間を夏合宿から予選会直前までの期間とし、スポーツ障害予防とコンディショニングに焦点を当てて研究対象者14人を追跡調査した。

調査期間と期分け
本研究は,合宿直前のトレーニングからACWRを算出するために、合宿開始日(8月10日)の28日前である 7月13日から調査を開始し,10月11日まで調査を実施し、調査期間の期分けを下の表に示した。

調査期間の期分け及び練習環境

期分けとは,1年間をいくつかのトレーニング期に分けることを指す。JAAF(日本陸上競技連盟)が提示している「練習計画の立て方」(※23)によると,期分けとは、ある期間での主要な試合において最高な成績を収めることを目指して試合までの期間を強化・調整しやすい小さな期間に区分してトレーニング内容を組み立てることを意味している。この期分けによって練習の目的が変わり,練習量や練習強度が変わる。

本研究では、7月13日から8月9日までの期間を合宿前期8月10日から9月13日を合宿期9月14日から10月4日を実践練習期10月5日から10月11日を調整期とした。

合宿前期 :春から夏にかけて行われた5000m・10000mでのトラック競技を終え,合宿期に向けての準備を目的とした。
合宿前期 :普段と同レベルの量・強度のトレーニングを消化した。合宿期は年間最大となる量と強度が伴うトレーニングを消化する。
実践練習期 :予選会を見据えてトレーニング量を抑えながらも強度が高くなる。
調整期 :合宿前期・合宿期・実践練習期までのトレーニングで蓄積した疲労を除去し体調を整えるためにトレーニング量・強度が落ちる期間となる。

また,調査期間中は、4つの合宿地と普段の練習環境とを移動しながらトレーニングを実施した。

トレーニング負荷の調査
毎日のトレーニング報告は,毎晩対象者に Googleフォームを回答してもらうことで集計した。走行距離データは各被験者の GPSウォッチを用いて集計した。質問項目はトレーニングをした時間帯(朝,午前,午後)それぞれに対して本練習・副練習の走行距離(km),走行時間(min),RPE(0~10)と1日の総走行距離(km)とした。

本練習とは計画されていた主練習で,副練習は各個人が自主的に行ったジョギング等が該当する。また,本研究ではウォーミングアップ・クールダウンの距離も測定した。これはGoogleフォームの簡易性を考慮して回答項目に含めなかった。その代わり,「1日の総走行距離」-「1日の本練習・副練習の総走行距離」でウォーミングアップとクールダウンの距離を算出した。(例えば,朝自主的に12kmを60分間走り,午後に予定されていた3 0km走を120分で行い,1日の総走行距離が 47kmだった場合,本練習・副練習の総走行距離が42kmなので,アップとダウンの距離は5kmと算出される)

セッションRPE は、本練習・副練習の走行距離に各練習のRPEを掛けることで算出した.なお,ウォーミングアップとクールダウンに関しては簡易性を考慮して RPEの回答は得なかった.

疼痛調査
疼痛調査の期間は、8月3日から 10月11日までとし,調査した週の最終日に対象者に配布し回答してもらった。(例えば,8月10日 から 8月16日 の週のであれば,8月16日のトレーニング終了後に配布した)また,対象者に対して口頭で調査について説明をし,アンケート回答をもって同意を得た.8月3日から 8月9日の週は合宿期からのOSTRCスコアと比較するために回答を得た。

また,対象者に対して口頭で調査について説明をし,アンケート回答をもって同意を得た。質問紙の回答率は100%であった。本研究において用いられた OSTRC質問紙は、眞下ら(※19)の日本語訳をGoogleフォームで回答できる形式に編集したものである。

目標達成率
箱根駅伝予選会当日は事前に設定した目標タイムを参考にペース配分しながら走るレースである。目標タイムは調整期までのトレーニングの消化具合や身体のコンディション,脚の状態などを選手・スタッフで共有し、話し合った上で決定した。また,目標値は理想的な天候だった場合を想定して設定しているが,日本テレビのライブ中継によると,当日は19.8℃とやや高めの気温と高い湿度の気象コンディションだった。

Ely Matthewら(2007)がマラソン大会の参加者を対象に気温とパフォーマンスの関係を調査した研究によると,パフォーマンス発揮において最適な気温を5℃とした時,5℃から25℃まで気温が上昇するにつれてパフォーマンスは低下すると報告されている。また、Ely Matthewら(2007)は,論文内で気温が20℃の時,パフォーマンスは2~8%低下し,マラソンの記録は 2~3分遅くなると報告している。

これらのことを考慮して、当日の気象条件が及ぼしたパフォーマンスへの影響を分析した。「走力上位の選手ほどパフォーマンスへの影響が少なかった」ことから,レース終了後にT大学の監督に当日の天候を考慮した目標タイムに相当するタイム「補正値」を提示してもらった.この補正値は、当日のレース中の平均気温だった20℃を想定して設定してもらった。

補正値は,目標タイムが 62分台だった場合2秒/km,63分台だった場合 3秒/km,64分台だった場合 4秒/kmを加算したタイムとした。つまり,ハーフマラソンは約21km走るので,62分台は 42秒,63分台は 63秒,64分台は 84秒を加算したタイムとなる.また,例外として,No.6の目標タイムは62分56秒と63分00秒相当のペースで走るため,補正値では63秒加算した.

この目標タイム補正値と実際のゴールタイムをワールドアスレティクス(世界陸上競技連盟)が出しているスコアリングテーブル(※25)を基に数値化し,実際のゴールタイムを目標タイムで除すことで「目標達成率」を算出した。

スコアリングテーブルとは,陸上競技の異なる種目同士の比較や混成種目(10種競技や8種競技など)の点数化などのために用いられる。(例えば,100m10秒00は点数化すると1206点であり,これはハーフマラソンの記録では59分31秒に相当する)このように記録を点数化できるスコアリングテーブルを用いてパフォーマンス発揮率を算出した。

パフォーマンス発揮率はスコアリングテーブルで点数化したゴールタイムを同じく点数化した補正値で除すことで算出した.これで算出した値は,1より大きい値が算出されると補正値より良いパフォーマンスが発揮されたことになり,1より小さく0に近づくほどパフォーマンス発揮が低かったことになる。

データ分析
統計分析には,SPSS Statistics (version 26.0)を使用した.箱根駅伝予選会の結果と調査期間の調査項目との関連性の検討は,従属変数を目標達成率とする単回帰分析を行った。なお,独立変数は調査期間に計測したACWR・セッションRPE・走行距離・OSTRCスコアとし,合宿期・実践練習期・調整期の各期分け及び本練習・副練習・ウォーミングアップとクールダウンに分類し算出した.

また,対象は予選会に出走したNo.1~No.12の12名とし、No.13とNo,14の選手は当日出走しなかったので,単回帰分析の対象からは除外した。なお,全ての有意水準は5%未満とした。

結果

週毎の平均セッションRPEと平均ACWRの推移
週毎の平均セッションRPEと平均ACWRの推移を表したのが下図(上)である。図中では,調査期間の結果を「全体」「通常群」「部分離脱群」の3つに分類して示した。通常群は予定されたトレーニングを1週間以上離脱することなく継続した選手群,部分離脱群は1週間以上に渡ってチームの主練習とは別のトレーニングを行った群とした。

予定されたトレーニングが消化できなかった理由は,(1)合宿前期からスポーツ障害を発症しており合宿への参加が遅れた,(2)合宿中にスポーツ障害を発症した,のどちらかである。そのため部分離脱群の選手は個々で異なるトレーニングを実施している時期があった。

調査期間のすべての週で通常群の方が部分離脱群よりセッションRPEが高値を示した。週毎に見ると,通常群・部分離脱群共にセッションRPEは8/3~8/9の週は低値を示したが,翌週の8/10~8/16では急激に上昇する推移を示した.その後,セッションRPEは8/17~8/23の週から8//31~9/6の週まで両群とも徐々に低下した。

9/14~9/20の週から実践練習期に入ったが,その前週の9/7~9/13の週から両群ともセッションRPEが上昇した。その後,両群とも9/28~10/4に一時セッションRPEが上昇する推移を示したが,9/21~9/27の週と10/5~10/11の週共に低値を示した。

ACWRの推移はセッションRPEの値に依存するため,両群共セッションRPEの推移と同様の推移を示した.大半の週でACWRは部分離脱群より通常群の方が高値を示したが,9/7~9/13の週は部分離脱群が通常群より高値を示した。

選手1人当たりの週毎のOSTRCスコアとACWRの推移

ACWRスコア別に見たOSTRCスコア
ACWRを(1)ACWR < 0,8,(2)0.8 ≦ ACWR ≦ 1.3(3)ACWR < 1.3、に分類し,それに合わせて ACWR を算出した際のOSTRCスコアを分類し,各 ACWR 範囲の合計値をデータ数で除して平均スコアを算出した。そのスコアの関係を下図で示した.

データ数を全体の結果は,全120個のデータの内,ACWR が 0.8未満であったものが36個(30%),0.8~1.3の間が59個(49.0%),1.3より高値だったものが25個(21.0%)となった.平均 OSTRCスコアは ACWR が 0.8未満では 13.97,ACWR が 0.8~1.3 では 5.93,ACWRが 1.3 より高値の場合は 11.12 となった.先行研究ではACWRが 0.8~1.3 にある時,障害リスクが低くなることが示されており(27),本研究の調査の結果でも同様の結果が得られた。 

部分離脱群は ACWR が0.8未満の場合と 1.3を超えるとき,OSTRC スコアが高値を示す傾向が顕著に見られた。一方,通常群は全体・部分離脱群と同様 ACWR が 0.8~1.3 の時に OSTRC スコアが下がる傾向を示したが,ACWR がどの値を示しても OSTRC スコアが低値を示し,平滑な直線を示した。

ACWRスコア別に見た平均OSTRCスコア

選手毎の総セッションRPE
選手毎の総セッション RPE を下図に示した。選手の並び順は調査期間中におけるトレーニング状況別に並べた.No.1,No.2,No.4,No.7,No10,No.11,No.12,No.13,No.14(n=8)は「通常群」,No.3,No.5,No.6,No.8,No.9,No,11(n=6)は「部分離脱群」とした.

通常群は予定されたトレーニングを概ね消化することが出来たので,No.14を除いて総セッションRPE は 8000 を超えた。一方、部分離脱群は,No.5を除いてセッションRPE が 8000 を超えなかった

選手毎の総セッションRPE

選手別ウォーミングアップ・クールダウンの走行距離
選手別のウォーミングアップ・クールダウンの走行距離を下図に示した。左の No.1 から No.14 までが通常群,No.3以降が部分離脱群である.No.1,No.2,No.4,No.5を筆頭にゴールタイムが比較的良かった(パフォーマンスが高かった)選手は、ウォーミングアップ・クールダウンの総走行距離が多かった。

選手毎の調査期間におけるウォーミングアップとクールダウンの総走行距離

選手別のACWRの推移
選手毎のACWRの推移を通常群と部分離脱群で分けて示したのが下の2つのグラフである。通常群は実際のトレーニング量に差はあるが,選手それぞれの各週のセッションRPE に大きな差が無く,ACWR が選手間で同じような推移をしており、週毎の変化も小さかった。

部分離脱群は選手毎にトレーニングへの復帰時期が異なるため,ACWRの推移が選手毎に大きく異なった。また,週毎の変化も大きく,部分離脱群の全員が 0.8~1.3 のスイートスポットを大きく超える値をいづれかの週で記録した。

トレーニング群の選手の週毎のACWRの推移

別のトレーニング群の選手の週毎のACWRの推移

疼痛の詳細
対象者14名の内,疼痛を訴えた選手の割合を下図に示した.疼痛を訴えた選手は11名で全体の78.6%を示した.観測された疼痛を要因別に分類すると,新規疼痛総数は26件で,その内 23件(88.5%)は障害,2件(7.7%)は外傷,1件(3.8%)は神経性によるものだった.観測された障害を部位別に分類すると,最も多く訴えられた部位は下腿と足部で各6件(26.1%),次いで大腿部が3件(13.0%)だった。

対象者の調査期間におけるOSTRCスコアの詳細

対象者別の予選会ゴールタイムと予選会目標タイム,パフォーマンス発揮率の関係
下表に対象者の予選会ゴールタイム,予選会目標タイム,目標タイム補正値を示し,2段目の表に予選会ゴールタイム(スコアリングテーブル値),目標タイム補正値(スコアリングテーブル値),パフォーマンス発揮率を示した。No.1,No.2 ,No.4の3選手は目標タイム補正値より速いタイムでゴールしたため,パフォーマンス発揮率は1を超える値となった。パフォーマンス発揮率の最大値はNo.2の1.007で,最低値はNo.12の0.822となった。

予選会出走者の予選会タイムとパフォーマンス発揮率

各タイムのスコアとパフォーマンス発揮率

予選会のゴールタイムと調査項目との関係
下表は予選会のパフォーマンス発揮率を従属変数とした単回帰分析の結果である.分析結果は、どの項目においても有意な関連は見られなかった。また,回帰式の適合度も低く,本研究においては予測精度も低いことが明らかになった。

単回帰分析の結果

考察

週毎のセッションRPEと平均ACWRの推移を観察(把握)する意義
本研究の週毎の合計セッションRPE と平均 OSTRC スコアは 8/10~8/16,9/14~9/20,9/28~10/4 の週に高値を示した。

8/3~8/9 の週から 8/10~8/16 の週で セッションRPE・ACWR が急激に上昇したのはトレーニング計画(内容)によるものだと考え た。8/3~8/9 の前週にチームで予定されたトレーニング計画が提示されていない「フリー期間(7/29~8/1)=練習量の減少」があったからである。

また,合宿期に入る前に長距離チームの故障していない選手は,現状を確認する目的で 8/7 に 5000m,8/8 に 1500mのレースを走った。そのため,8/2~8/9はトレーニングを再開する週でもあり,レースに向けた調整の週でもあったため,普段よりトレーニング量・強度が共に少なくなったと考えられる。

その後,8/10 に合宿地に移動し、8/11 から合宿期のトレーニングが始まったので、この週は 例年,普段の週当たりのトレーニング回数より多くなる。普段は 2~3日に1回強度の高い(=セッションRPE が高くなりやすい)トレーニングが予定されるのだが,8/10~8/16 の週は 8/10,11,13,15 と週に4回強度の負荷の高いトレーニングが設定された。

このように,8/3~8/9 の週は平常時よりセッションRPEが低く設定され,8/10~8/16の週は普段よりセッションRPEが高く設定されたため,合宿期に入りセッションRPE・ACWRが急激に上昇する推移を示したと推察された。その後,8/17~8/23 の週に 対象者は別の合宿地に移動したが,監督が対象者のトレーニング状況を見て予定されたトレーニングを1回減らした.そのため,週当たりの強度の高いトレーニング回数が普段と同じ3回になりセッションRPEが低下したと考えられる。

8/24~8/30 の週は.その後 8/26 から再び別の合宿地に移動し、トレーニングが始まったが,8/24,25の2日間がフリー期間で全体的にトレーニング強度・量が減少したため、週当たりのセッションRPE も減少したと考えられる。8/31~9/6の週は,合宿期だが、それまでの週より提示されたトレーニングの強度が高くなり,強度の高いトレーニングの間隔が広くなった。また,9/4に 合宿を終えてからの数日間は、疲労を考慮してややトレーニング量・強度が低く設定された。

これらのことから、8/31~9/6 の週は 8/24~8/30 の週よりセッションRPE が減少する結果になったと推察される。9/7~9/13の週は,トレーニング群はトレーニング量と強度を維持したため、総セッションRPE が前週とほぼ変わらずに推移したが,別トレーニング群は増加した 。これは,部分離脱群の選手が 9/12 から始まる合宿に向けてトレーニング量・強度を意識的に増やしたからだと考えられ、ACWRの推移はトレーニング群と別トレーニング群で異なる結果となった。

通常群・部分離脱群共に 9/14~9/20 の週に再びセッションRPEが高値を示したのは、9/12 から再び合宿地に入りトレーニング強度が上がったためだと考えられるが,要因は それだけではないと考えられる。この期間の合宿かトレーニングは高地で行われたこともトレーニング強度の上昇に関連していると考えられる。

「高地」とは標高が高く、気圧の低い(低圧)環境を指す。低圧環境では大気圧が低下し,酸素分圧が低下するので、低酸素血症を引き起こす。普段より酸素が身体に取り込みにくくなる。走速度が上がらない状態においても主観的なトレーニング強度が上がるが,ダニエルズは 高地トレーニングを行うことで最大酸素量が増加すると報告している(Daniels, J T,1970)。

その後、9/21~9/27 の週は 9/25 の 10000mレースに出場し 走力の現状確認をした影響により、週当たりの強度の高いトレーニング回数が少なくなり、総セッションRPE が減少したと考えられる。

9/28~10/4 の週に 総セッションRPE と ACWR が高値を示したのは、調整期に入る前に、強度がかなり高いトレーニングが計画されたためだと考えられる。また,普段は午後の涼しい時間帯にトレーニングを行っていたのだが,この週は午前中にトレーニングを行う機会が3回あった。この3回のトレーニングの全てにおいて、気温が25℃を超える気象条件であったため,トレーニングそのものの強度が高くなったと考えられる。

先行研究から,ACWR が急激に変化することは避けるべきである。特に,8/10~8/16 のように ACWR が 1.5 を超える場合は、障害リスクが高まり危険な状態が憂慮される。Gabbett(2015)は、ACWR が 1.5 以上の場合をDanger Zoneと定めている(※27)。また,Soligardらは「ACWR が 1.5 を超えた時,その週より次の週の障害リスクが 2~4倍 高くなる」ことを報告している(Soligard T, Schwellnus M, 2016)。

今回の場合,ACWRの急激な上昇を防ぐために,① 8/3~8/9 のセッションRPEを増加させる,もしくは、② 8/10~8/16 の週のセッションRPE を抑え目に設定する、という①と②のどちらかの方法を採ることが望ましかったと考えられた。

9/14~9/20 の週も 全体的に ACWR が上昇したが, この期間は ACWR が 0.8~1.3 辺りで推移しているため,健全な推移だと考えられる。9/28~10/4 も同じ意味で健全な範囲での ACWR の上昇だと考えられるが, この週は強度の高いトレーニングの量を減らし,普段のトレーニング量も増やしすぎないように監督から指示されていたので,セッションRPE・ACWR 共に予定しない上昇を示した可能性がある。

このように,セッションRPE と ACWR のデータ取得を継続することは,障害リスクを未然に防ぐことや,選手・スタッフの相互で トレーニングを評価・管理できる可能性を示唆した。そのため,今後もデータの収集を継続していき,経年・経時的な変化を見ていくべきと考える。

ACWRとOSTRCの関係
週毎の平均 セッションRPE と 平均 OSTRCスコア の推移を見ると,通常群と部分離脱群で OSTRC スコア に大きな差が見られた。しかし,セッションRPE は9/21~9/27の週を除き通常群の方が高値を示している。

Luis Suarez-Arrones(2020)らがサッカーのヨーロッパチャンピオンズリーグに参加したプロクラブの1つのセッションRPE と ACWR を調査した研究によると,ACWR の急激な変化より慢性的な負荷の大きさが障害リスクと関連性が強く,普段からトレーニング量・強度が高値を示している選手ほど障害リスクが低いことを報告した。

種目が異なるため一概には言えないが,通常群の選手の方が OSTRCスコア が低かった要因として慢性的なセッションRPE が多く,トレーニングのストレスに強い可能性がある。また,OSTRCスコアは0だと疼痛が無い状態であり,それが理想的なスコアだが,長距離走は種目特性上,完全に疲労を抜くことは少なく,常に何かしらの不安がある場合が多い.しかし,離脱群のようにOSTRCスコアが高値を示すとトレーニングの中断・変更が余儀なくされる。

このように,長距離走のトレーニングにおいては、トレーニング継続可能と判断されるOSTRCスコアが存在するはずである。今後も調査を続けていくことで、そのスコアが明らかになっていくと考えられる。本研究においては,大半の予定されたトレーニングを実施できた通常群の平均 OSTRCスコアの最大値が 9/14~9/20 の 17.25 であった。そのため,この値が本調査期間における「足に不安があっとしてもトレーニングが可能な OSTRCスコア」だったと考えられる。

また 9/14~9/20 の週にトレーニング群の方が高い OSTRCスコアを示した.これは継続的にトレーニングをしていたことで疲労が蓄積しスコアに現れた可能性が考えられるが,本研究では内的負荷を収集していなかったので,それは仮説の域を出ない。内的負荷とは,身体内で起こる変化の大きさを指し,前日までのトレーニングの影響を受け、当日の体調として反映される。

特に起床時心拍数の測定は内的負荷の測定としてよく知られ,例えば、トレ―ニング負荷が過剰な場合は,起床時心拍数を増加させる.高山ら(2015)によると,セッションRPE と起床時心拍数を併用したトレーニング評価は,レースとの相関があり,有用性がある.今後は起床時心拍や血液検査のデータの併用なども検討していきたい。

ACWR の値毎の平均 OSTRCスコアを見ると,通常群・離脱群共に ACWR が 0.8 を下回る場合と 1.3 を上回る場合に平均OSTRCスコアが大きくなった。また,ACWR が 0.8~1.3 の範囲にある時の OSTRCスコアは低下する傾向が見られ,この結果は先行研究と同様のものだった。特に部分離脱群ではその特徴が見られた。

しかし,通常群は ACWR の値に関わらず平均 OSTRCスコアに大きな変化が見られなかった.これは,OSTRC 質問紙の利用方法に問題があったためだと考えられる。本研究で OSTRC 質問紙を用いるとき,OSTRC スコアが過度に大きくなることを避けるために筋肉痛による疼痛を除外して回答してもらった。そのため,検知できなかった疼痛があると考えられる。

また,障害に繋がる以前の疼痛も検知できなかった可能性がある。しかし,OSTRC スコアは セッションRPE の変化に対応した推移を示していたので,今後は筋肉痛による疼痛の回答も含めた OSTRC 質問紙を運用して将来的に傷害に繋がる疼痛も検知できるようにしていきたい。

結論

本研究では,箱根駅伝予選会に登録されたT大学陸上競技部長距離チーム14名の選手を対象に,7/13~10/11 の期間、箱根駅伝予選会に向けたトレーニング状況(トレーニング負荷と消化状況の関連性)を明らかにすることを目的に調査を行った。

トレーニング状況を明らかにするために,調査期間ではセッションRPE・走行距離・ACWR・OSTRCスコアを調査した。また,それらの調査項目と箱根駅伝予選会当日のパフォーマンスとの関連性を検討した。

結果として,箱根駅伝予選会のパフォーマンスと調査期間の調査項目の間に統計的な有意差は見られなかったが,レースでのパフォーマンス予測精度を高めるために,以下の検討材料を得ることができた。

1.セッションRPEを本練習・副練習・練習前後のウォーミングアップ・クールダウンそれぞれで計測する

2.外的負荷の他に,起床時心拍などの内的負荷も計測する

3.OSTRC質問紙で筋肉痛も疼痛として回答してもらう


4.調査期間だけではなく,年間を通してデータを収集すること.また,年間を通したデータ収集を経年で続けていく

卒業論文投稿者

福谷颯太 2023年3月 筑波大学を卒業
外科系スポーツ医学 研究室所属(指導教員:向井直樹)
3年次に関東学生連合チームで箱根駅伝5区出場
4年次は駅伝主将を務め、箱根駅伝予選会15位
現在は、黒崎播磨陸上競技部 に所属し活躍中

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この記事を書いた人
学生アスリート
令和のいだてん
筑波大学 陸上部 駅伝メンバーです。 箱根駅伝出場を目指し日々鍛錬中!

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